101回目の司法試験

フジテレビが1991年のドラマ「101回目のプロポーズ」の続編「102回目のプロポーズ」を制作すると発表したそうです。

「101回目・・・」とは、お見合いを繰り返してはプロポーズを断られ続けている冴えない中年男(武田鉄矢)が、挙式直前に婚約者を亡くした過去を持つ美女(浅野温子)にアプローチを続けて最後はハッピーエンドに至る物語・・・なのですが、76年生まれの私自身は見ておらず、ただ自分が「101回目・・・」当時の武田鉄矢より年上になっている事実に衝撃を受けました。

「いまさら当たるとも思えないが。そもそも令和の世だと、武田鉄矢はストーカーとして犯罪者にされるのでは」

と思いつつ、いまさらオリジナルを見直す暇も元気もなく、ただネット上の記事であらすじを調べてみました。

すると、武田鉄矢は浅野温子をしつこく追いかけ回すというより、あきらめようとするたびに自分や浅野温子の周囲の関係者にたきつけられてあきらめさせてもらえなかったようです。また、浅野温子の対応も予想以上になかなかひどく、武田鉄矢に「私が好きならボーナス全部を競馬に賭けて!」と強要し、それを真に受けて競馬は全く分からないのに実行して外した武田鉄矢を真っ白にするとか、いくらさえない中年男が相手だからといって、それはちょっと人道に反しすぎてはいないでしょうか。・・・そういえば、若い美人から「1億円のマンションを買ってくれたら結婚を考えてあげてもいい!」と言われたさえない弁護士の話を聞いたことがあるような記憶も甦りましたが、何のことだかよく分かりません。

また、有名な「僕は死にましぇん!」は実は終盤ではなく中盤の山のシーンで、そこで浅野温子はいったん武田鉄矢を受け入れるのですが、その後の展開、浅野温子のムーブは、普通に胸糞案件です。もてない男はどんなに虐待しても問題ないというひどいお話でした。

そしてどん底まで落ちた・・・落とされた武田鉄矢が、最後の一発逆転のカードとして手を伸ばしたのが、勤務先を退職しての「司法試験」だったというのは、実に時代を感じさせられます。・・・その十数年後に、同じような行動に出る層があちこちで出る悲劇が起こった気がするのは、たぶん気のせいでしょう。そして、「101回目・・・」で司法試験が重要な小道具となること自体は知っていたのですが、そのための猛勉強シーンで武田鉄矢が開いていたのが司法「書士」試験のテキストだったという小ネタは今回初めて知りました。そりゃあ落ちるよwww合格発表のシーンは果たして択一・論文・口述のどれだったのか不明ですが、かなり雑な描写であろうことが目に浮かぶようです。ちなみに、当時は時代的に合格者500人で合格が一番難しかった時期のはずなので、42歳での退職直後の初受験で口述落ち(=択一・論文合格)はもちろん、論文落ち(=択一合格)でもかなりの逸材扱いされるはず。。。

というわけで、司法試験の扱いひとつで時代を感じずにいられない「101回目・・・」ですが、果たして「102回目・・・」を見る人たちはどれほどいるのでしょうか。せっかくヒロインを唐田さやかにするのであれば、いっそ元婚約者として東で・・・おっと、こんな時間に誰か来たようだ。