階級社会としてのJリーグ
私の周囲では、最近
「ファジアーノが失速しつつあるのではないか・・・」
とため息をつく人を見かけますが、J1初昇格で明確なバックもないファジアーノにどこまでの順位を期待していたのか、今年の第1ミッションは17位以内=残留だったはずなのに、いつの間にハードルを勝手に激ageしているのかと、ついツッコミを入れたくなってしまいます。
日本におけるJクラブは、J2→J3と拡大してきたものの、総数60でとりあえず打ち止めにするようで、J4創設やJ3分割ではなく、アマチュアカテゴリであるJFLとの入れ替えになるとされ、実際に24年末にはYSCC、盛岡がJFLへと退場を余儀なくされました。日本におけるJ1カテゴリ自体、限られたクラブの中での椅子取りゲームとなっているのが現実であり、新参者のクラブがJ1を荒らしまわる・・・といった下剋上は、巨大なバックを得たクラブ以外では非常に難しく、ファジアーノ岡山がその中でJ1初参入を果たして、今のところ降格圏にもいないということは、それだけで大きな快挙なのです。
日本のJクラブ62(消滅したクラブは除く)のうち、J1経験を有するクラブは32と過半数に達していますが、その内訳をみると、J加盟年によって明確な分断があることには、あまり言及されていない気がします。そのことは、各クラブの加盟年ごとに、J2が創設された99年以降のJ1在籍年数を比較してみれば、明らかです。
・オリジナル10(91年加盟。消滅した横浜Fを除く)
27 鹿島、横浜M
26 浦和、名古屋、G広島
25 広島
24 清水
11 千葉
10 東京V
0 なし
・94~98年参入クラブ
25 神戸
24 柏
21 磐田、C大阪
13 湘南
12 京都、札幌
11 福岡
0 なし
・J2オリジナル10(99年加盟。J2創設前年に参戦していた札幌を除く)
25 FC東京
22 川崎
17 新潟
14 仙台
13 鳥栖
12 大宮
11 大分
8 甲府
4 山形
0 なし
・2000~2013年加盟
5 横浜FC
2 町田、松本、徳島
1 岡山、長崎
0 水戸、群馬、愛媛、岐阜、熊本、栃木SC、富山、北九州、鳥取
J3オリジナル10(2014年加盟)以降
0 秋田、福島、相模原、長野、金沢、藤枝、讃岐、琉球、YSCC、盛岡、山口、鹿児島、沼津、八戸、今治、宮崎、いわき、FC大阪、奈良、栃木C、高知
・・・このJ2オリジナル10以前と、2000年以降の間にある質的な違いよ。。。「J2オリジナル10以前」をティア1、「2000年以降」をティア2と呼べば、物凄くしっくりくるかもしれません。あるいは、J3オリジナル10の前後で「ティア2」「ティア3」を分けてもいいかもしれません。ティア2の先頭として唯一ティア1の最後尾とJ1在籍年数を逆転している横浜FCは、実は偉大なクラブだったのだと初めて気づきました。