悲しき国選弁護人

最近やたらと国選の被告人が県外に連れていかれることが続いているのですが、そうした被告人の1人が今も勾留されている県外の某警察署から、先日電話があったそうです。

 私は不在だったのですが、

「被告人が接見を求めています」

「・・・え?でも、〇〇県ですよね?岡山じゃなく」

「はい、〇〇です」

というやり取りがあった模様。

いちおう、某警察署の留置担当も、「弁護妨害」で訴えられるリスクを冒して、〇〇県に岡山の弁護士を呼びつけるのは迷惑であろうこと、呼んで来てくれなかったとしても文句は言えないことを伝えてくれたそうなのですが、

「それでもいいから呼べ」

と言われては、警察としてはもはや伝言を拒むことはできないでしょう。彼らを恨むことはできませんが…

某警察署は、名前が「某県庁所在地の市名+東西南北中央不敗のいずれか」警察署ということで、その県庁所在地にあるのだろうとは思われます。しかし、岡山からその地に行くにはどのようなルートをたどるのが効率的なのか、自信を持って言い切ることはできません。その県庁所在地や県自体、私がこれまでの人生でたぶん一度たりとも行ったことはなく、しかも今後の人生で行くことがあるかどうかも極めて疑問です。それどころか、その県を最終目的地としない単なる通過だけすら、過去も未来もないような気がします。

カーナビで調べてみると、高速をがっつり使って片道5時間半。yahooの乗換案内で調べてみると、県庁所在地の中心駅まで乗換2回(=東海道・山陽新幹線沿線ではありませんね…)、そこからバスで10分ほどで最短は約3時間半ながら、乗換等がよほどうまくいく時間帯以外では、約4時間前後かかる模様。なぜ呼んでいるかの理由はなぞだけれども、これ、行かなくていいよね…?

他の弁護士に愚痴ったところ、面白がられながらも同情されましたが、

「どうせ呼ばれるなら石垣島や宮古島から呼ばれないかなあ。それなら喜んで行くのに」

とつぶやいてみたところ、

「こいつ、このセリフだけは、たぶん本気だな…」

という軽蔑?の目で見られてしまいました。私は要求をされた側なのに、損しかしていません。