恋川春町先生の自害に対する個人的感想

「鎌倉殿の13人」のように毎週何かを書き込むエネルギーはないため、あまりここで触れてはいないものの、毎週見ている大河ドラマ「べらぼう」。寛政の改革で弾圧を受けた恋川春町先生の自害には、ショックを受けました。

武士として結構重たい本業がありながら、副業で好き勝手に政道を批判する著作を発表していたら、お上ににらまれて本業の関係者にまで深刻な迷惑をかけかねない立場に陥り、苦しんだ挙句、介錯もつけずに自ら腹を切った春町先生。前半部分に、特に何か共感する部分がなくもなかったり。。。日本史についてはマニアと言っていい私ではありますが、教科書どころか山川用語集の③以上は網羅する勢いだった政治史と比べて、文化史はかなりつけ入られる隙もあったため、恋川春町先生の末路については初見かつ予想すらしていなかったことも、その衝撃をより強めてくれました。

「多様性」を叫びながら、その実、自分に都合の悪い言論については抹殺レベルで非難する、本質が「保護されるべき言論かどうかは自分が決める!」という弾圧者そのものでしかない人々が氾濫し、自由な言論の生存環境はむしろ悪化していく現代社会における、暴走する正義の恐ろしさを改めて痛感させられました。