大岡山帝国

イスラエルのネタニヤフ首相が「大イスラエル主義」を唱え始めたという記事を見て、反射的に日露戦争で幻に終わった26府県法案を思い出しました。

府県廃置法律案 - Wikipedia

「山口県を廃止して広島県、福岡県に編入、広島県東部を岡山県に編入」という、実現していたらまさに「岡山県の黄金時代」になっていたであろう謎法案です。信長の野望・全国版でのみ宇喜多直家が実現した「三備」支配、大岡山帝国にほかなりません。

構図としては、旧備後地域を岡山県に編入するだけなので、割とシンプルなのかと思いきや、旧備後地域とは、明治維新の直前を基準時として、府中市・庄原市・世羅町・神石高原町の全域、福山市・尾道市・三次市の大部分、三原市・東広島市・島根県奥出雲町の一部におよんでいるため、これらの地域がすべて岡山県となるという、割ととんでもない改革案です。広島県がよく承知したなあ・・・と思ったのですが、当時から備後地域は安芸地域の言うことを聞かなかったことに加え、山口県+広島県西部というのは要は「毛利県」なので、明治の価値観的に問題なかった…と言われると、なるほど納得です。

「福山圏・尾道圏に加えて島根の一部までが岡山の領土に!」

となるとすごい浪漫を感じ、「大岡山帝国」主義者になろうと思ったのですが、

「じゃあ、来年度は三次の相談センター担当をお願いします」

「奥出雲の被疑者から当番要請が来ているので、対応よろしく。当然ですが、24時間以内ですよ」

と言われた時のことを考え、涙を呑んで放棄することにしました。