伝説の悪猫、四たび。

一時期たくさんのノラ猫?が代わる代わる現れては入れ替わっていた自宅の庭は、最近は「スカツー」、「クサイ」と呼んでいる個体とアナグマの天下になっていました。しかし、今朝いつもより少し早く目がさめた後、カーテンを開けたところ、私が庭のノラ猫?に注目することになったきっかけとなった個体「プーチン」が座っていました。

私とプーチンとの戦いは、2022年のGWに始まりました。私が車で出かけようとした際、黒猫が車の下に逃げ込んだまま出てこないため、出て行ってもらいたくて車の右側でしゃがみこみ、手を大きく払うジェスチャーをしたところ、車の前後でも左側でもなく私がいる右側から逃亡を図った挙句、私の手に勝手にぶつかってきて嚙みついたのです。

その時期がロシア連邦によるウクライナ侵攻の後だったことから、私はその黒猫に「悪猫プーチン」と名付け、監視と闘争?を繰り返してきました。①一昨年夏には、他の猫とにらみ合いをしている場面にプーチンの背後から出くわした際、他の猫が私に気づいて逃亡したのにプーチンは自らの勝利と誤信して勝ち誇り、私に気づいていなかったため、後方からこっそり接近して北斗神拳の秘孔・刹活孔を突いたところ、物理的に変な方向にジャンプしてどこかに逃げ去り、その後しばらく姿を消し、②昨年1月に全身に植物の引っ付き虫をつけて私に頭を下げてきた後、約1年間現れなくなり、③今年になって一度だけ後ろ足を痛めた?状態で私の前に現れた後、また数ヶ月私の前から姿を消していたため、そのたびに

「さては究極の下等生物であるネコに生まれてしまった自分の人生に絶望し、迷惑しかかけなかった私にせめて最後の挨拶をしたうえで自害する気になったか」

「それとも自分自身が生き続けていたら、周囲に迷惑と害悪をばらまくだけだという真理を理解してしまい、最期くらいは世のため人のために散ろうと考えて私に最後の謝罪に来て、その後に自らを裁くつもりか」

と思ったのですが、下等生物たるネコの悲しさか、結局そのような高等な考えなどかけらもなく、平気で生き延びていることを繰り返していました。もう四度目の再登場です。3年前と比べると、プーチンは私と同様に白髪やハ●た部分も増え、毛ヅヤも荒れていて、もしかすると私の刹活孔を受けた影響かもしれません。とはいえ、かつて平和と友好を求めた私を襲撃し、傷つけ、辱めた自らを振り返れば恥ずかしさのあまり自決するのが当然なレベルの罪を犯しながら、そんな私の前に四たび平然と甦るのは、それ自体がとてつもない図太さです。前回現れた時にケガしていたように見えた後ろ足はどうなったのかを観察してやろうと思っていたのですが、かつて重大な敵対行為をとった私のことすら忘れてしまったのか、私の目の前でゴロゴロし始め、さらには芸も何もできない愚物の退屈さについつい私が眠ってしまった後にこっそり立ち去ったようで、いつの間にかいなくなっていました。やっぱり卑怯で卑劣な奴です。

しかし、生物として何の長所もない下等生物として生まれ落ちてしまったことについては、プーチンにも情状酌量の余地があるのかもしれません。奴がこのまま力尽きた場合、現世では私に散々迷惑をかけた以上、来世で人間や柴犬に生まれ変わることは不可能でしょうが、せめてゴキブリかハリガネムシかミジンコに転生したうえで立場なりの善行を重ね、10000回くらい生まれ変わったのちには人間か柴犬に生まれ変わることがあればいいなあ・・・と、彼の魂を勝手に憐れんでいます。